へそまがり京都案内のバックナンバー「葵祭&圓通寺」
京都もいよいよ観光シーズンの真っ直中。
5月15日には葵祭(あおいまつり)が都大路で賑々しく執り行われました。
葵祭は祇園祭、時代祭に並ぶ京都三大祭りの一つです。
祭に参列する人々の衣冠や牛車を葵の葉で飾るのでこの名があります。
この日も平安の優雅な装束を擬した総勢511名が御所から上賀茂神社までを絵巻物さながらに進みました。
とは言っても慣れない装束で8kmの道のり、皆さんなかなか大変です。
馬も興奮気味。数年前の葵祭では祭の最中に馬が暴走してけが人がでたこともありました。
また膝を折り道の真ん中で休みだしてしまう馬もときにはあり、馬の付き人は神経が休まりません。
葵祭の主役は斎王代です。牛車が引く御所車に乗っておられます。
簾が下がっており、お顔を拝むことはできませんでした。
斎王とは未婚の皇女をいいます。平安時代には実際に斎王が参加されていました。
今はその代理--斎王代というわけです。
今年は24才の藤田菜奈子さんが斎王代に選ばれました。
簾を少しでよいから開けていただき、お顔を見せていただきたかったなぁ
今日はせっかく京都の北部まで来たので、岩倉幡枝にある圓通寺まで足を伸ばしてみました。
圓通寺は修学院離宮をつくった後水尾上皇に縁があるお寺です。
ここは京都一のお寺として知られています。
えっ 何がですって?
借景京都一の庭があるお寺です。
この庭園の奥に控える比叡山をご覧下さい。
庭とのバランスが絶妙です。
床の高さ、柱の間隔、垣根の高さ、杉木立の間隔、楓の間の取り方、すべては比叡山のためにあります。
自分の所有でないものをしっかり庭の一部に取り入れてズルイ!
いえいえ、そんなこと決してありません。大変な努力されておられます。
庭の裏手に回るとそこは平凡な郊外の風景。田畑に今どきの家が建っています。
ここにマンションが建たないとも限りません。
そんな日常の風景が庭からの眺めに入ってこないように、庭の何十倍もの広大の土地を寺社域として保有し、林を保ち景観を守っているのです。
「借景は一日にして成らず」
圓通寺の努力に感謝です。