子ども着物(四つ身)の腰上げ、肩上げ
「腰上げ」「肩上げ」は子どもの成長に合わせ、着物を楽に着られるようにするための、先人の知恵です。
着物の場合は肩上げと腰上げを、羽織の場合は肩上げをする必要があります。
「腰上げ」は着物の丈(たけ)を腰のところで縫いつまんで着丈を調整します。 同じく「肩上げ」は着物の裄(ゆき)を肩山を中心に前身頃から後ろ身頃にかけて縫いつまみます。
要は、身丈は裾を引きずらないように、袖は手が隠れてしまわないように、 体格に合わせて腰と肩の部分をたくし上げて綴じておくのです。
男女とも子ども着物(四つ身)は「腰上げ」「肩上げ」、男児羽織は「肩上げ」場合により(羽織丈が長すぎる場合)「腰上げ」 が必要になります。
いずれもやる気があればお母さんの手縫いで十分できます。ぜひチャレンジしてみましょう。
京の初着屋では弊社にてお買上げの着物(四つ身)、男児羽織にかぎり、ご注文時にあわせてご指示いただければ無料で 腰上げ、肩上げをさせていただきます。
腰上げをします
腰上げ寸法
きもの身丈-着丈(首の後ろの一番上の頸椎から裾までの丈)
袴を着ける場合は着丈を上記より10cmほど短めにすると足さばきが良くなります。
腰上げの位置
背中心で[着丈+あげ寸法の1/2]の半分の所を腰上げ山にします。(これが基準ですが、着物と柄のバランスを考えて決めましょう)
腰上げ山を中心に上下にあげ寸法の1/2の寸法をつまみ下記の要領で縫い止めます。
前身頃は衿端で後ろ身頃のあげ山の位置より2cm下げます。
あげの深さは後ろ身頃と同じように取ります。
こうすると着た時に衿が後ろに下がって前が上がってしまうのを防ぎ、可愛らしく見えます。
上前身頃は衽(おくみ)の部分で1~2本ひだを取り、衿の方に倒して衿端を揃えます。
下前身頃は揃えずに、衿端から出るあげ代はそのままずれたままにしておき、あげを取ります。
糸は2本どりで縫い初めと縫い終わりは返し縫いをし、2目落とし(表地に細かい目を2つ続けて出す縫い方)で縫います。
肩上げをします
肩上げ寸法
きもの裄丈(きものの裄丈)-裄丈(首のつけ根から肩先を通り手首のくるぶしまでの丈)
肩上げの位置
肩幅の1/2のところを肩あげ山にします。前身頃では肩山から脇の方に1cm斜めに取ります。
前は肩山ではあげ寸法の半分、袖つけ止まりではそれより1cm少なくとります。
こうすることにより、胸回りにゆとりがでて、衿あわせが良くなります。
後ろはあげ寸法の半分を真っ直ぐとります。
肩上げも腰上げと同じように2本どり、2目落としで袖つけ止まりまで縫います。
男児羽織の肩上げ
基本的に着物と同じですが、男児の羽織には家紋が入りますので、あげの位置を家紋の外側(袖付け側)に設定します。縫い方は着物と同じです。
あげ巾の決め方
羽織の裄丈-羽織の着裄丈(着物の着裄丈+1cm)
羽織の丈がお子様に対して長すぎるようでしたら、必要に応じて腰上げもします。
羽織丈は着物の着丈×0.75~0.8倍が目安です。
裾から15~16cmの位置にあげ山がくるように、あげ巾を折ります。ただしあくまでも柄の出方が優先です。
縫い方は着物と同じです。
肩上げ部分 表の縫い目と裏の縫い目部分